僕らのメモ帳

忘れっぽい僕らの記録

2021.06.05 投資信託 世界REIT

【世界のREIT 最高値接近】
通信インフラ・商業施設に買い 経済活動再開に期待

世界の不動産投資信託REIT)市場に投資マネーが流入している。

新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要でデータセンター関連が買われた昨年の流れに加え、経済活動の再開に伴い商業施設やホテル関連も急回復してきた。
インフレ圧力の高まりも不動産価格や賃料の上昇が見込めるREIT市場の追い風となっている。

世界最大のREIT市場を抱える米国の代表的なREITや不動産株の指数である「FTSE・EPRA・Nareit不動産指数」の業種別指数を見ると、不動産市場の動向が鮮明になる。

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昨年から好調を保つのが、巣ごもり需要の追い風が吹いた通信関連。
全体の指数が20年の1年間で9%下げたのに対しデータセンターは18%上昇。
21年に入ってからも7%高と上昇が続く。

コロナ禍が直撃したサービス関連も経済活動の再開期待から急回復している。
20年はロックダウン(都市封鎖)や移動制限で大型モールなどのショッピングセンター(SC)やホテルなどのロッジ・リゾートが急落したが、21年に入るとSCで47%、ロッジ・リゾートも21%上昇している。

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「ワクチン普及と経済再開への期待の高まりから、売り込まれていたSC関連を昨冬から買い増ししている」
(米アライアンス・バーンスタイン

商品高や物流停滞でインフレ圧力が高まっていることも追い風。
不動産価格や賃料の上昇につながりやすいため、REITはインフレ耐性が高いとされる。
2021年にインフレ率が前年同月比2%以上だった局面の投資収益率を分析したところ、米REITの収益率は平均4%とS&P500種株価指数の2%程度を上回った。

足元では米長期金利への上昇圧力が根強い。
金利上昇は資金調達の逆風になりかねないが、「19年後半から20年にかけての低金利の局面で数年先までの資金を確保したところが多い」(アライアンス・バーンスタイン)など強気な見方が多い。

長引く金融緩和を背景に世界の住宅市場には過熱感もある。
業種別指数の住宅も20年に13%下落したのち、21年に入り27%上昇した。
だがコロナ禍で都市部から郊外に移住する動きもあり、「都市部の集合住宅を中心に出遅れが目立つ」(PGIMの有村氏)としてREITではなお上昇余地があるとの声もある。